【話題】だから森喜郎元首相は問題発言を繰り返す…精神科医が分析する、自分が悪いと気づかない人の共通点
※本稿は、片田珠美『自己正当化という病』(祥伝社新書)の一部を再編集したものです。
■「モンスタークレーマー」はなぜ生まれるのか
どれだけ他人を傷つけても、周囲から批判されても、自分が悪いとは思わない人は、知らず知らずのうちに自己正当化していることが多い。こういう人を突き動かしているのは、主に次の三つの動機である。
①利得
②自己愛
③否認
まず、自分にとって得になると思えば、ひたすら自己正当化する。その主張が本当に正しいのか、ちゃんとした根拠があるのかということは考えない。いや、むしろ、そんなことはどうでもいい。
その典型が、遅刻やミスを繰り返したり、取引先からクレームが相次いだりして上司から叱責されると、「パワハラ」と騒ぎ立てて難を逃れようとする社員である。パワハラを告発した結果、上司から以前ほど厳しく注意されなくなると、それに味をしめて、同じことを繰り返す社員もいる。
あるいは、自分は悪くないのに、店員の態度や説明に落ち度があったせいで不快な思いをしたとか、損害をこうむったとか難癖をつけて謝罪を要求し、店側の出方によっては特別なサービスや値引きを享受しようとするクレーマーも同類だろう。
■「すべて他人のせい、自分は悪くない」
また、自己愛が人一倍強い人も、しばしば自己正当化する。もちろん、自分が悪いとは思わない。それどころか、自分の価値観や考え方を他人に押しつけ、それが正しいことを他人に認めさせようとする。
しかも、自己正当化ばかりする人は、たとえ自分に落ち度や間違い、欠点や弱点があっても、決して認めようとしない。自らの非をすべて否認し、「悪いのは自分ではなく、相手だ」と強調する。いくら間違っても失言しても、ひたすら否認し、すべて他人のせいにすることによって、自分は悪くないという主張を貫く。
本人は必ずしも自覚していないかもしれないが、だいたい、この三つの動機のいずれかに突き動かされている。一つの動機だけというケースはまれで、複数の動機がからみ合っていることが多い。
■三つの動機に突き動かされた森元首相
たとえば、2021年2月、東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長を務めていた森喜朗・元首相が女性蔑視発言の責任を取り、辞任したが、驚いたことに自分が悪いとは思っていないように見えた。
森氏は、自身の「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」という発言が問題視されたことについて、「意図的な報道があり、女性蔑視だと言われた」と反論した。また、「老害」と批判されたことに対しても、「極めて不愉快」と怒りをにじませた。これは、口では「大変ご迷惑をおかけしたことを誠に申し訳なく存じております」と言ったものの、本音では「自分が悪い」とは思っていなかったからだろう。
森氏は、「意図的な報道」とマスコミに責任転嫁することによって、自らの非を否認したと考えられる。そうして悪いのは自分ではないと主張できれば、自己愛が傷つかずにすむ。しかも、自分は悪くないという主張が認められれば、今後も“長”のつく役職に就けるチャンスがめぐってくるのではないかという思惑があったかもしれず、利得がからんでいたという見方もできよう。
もちろん、森氏がそこまで考えて発言したとは思えない。むしろ、自己正当化する人は、知らず知らずのうちに否認、自己愛、利得という三つの動機に突き動かされていることが多い。その点では、嘘よりも厄介だ。嘘であれば、嘘をついているという自覚があるが、自己正当化の場合、その自覚が欠けていることも少なくないからである。
■「なんとかなるだろう」が事態をこじらせる
自覚がない分、自己正当化はこじれやすい。自己正当化をこじれさせる要因は、主に次の四つである。
①強い特権意識
②過去の成功体験
③想像力の欠如
④甘い現状認識
このうち、甘い現状認識が自己正当化をこじれさせることも少なくない。森氏は、問題の発言をした翌日、「撤回」会見を行なったが、反省の色がゼロにしか見えない「逆ギレ会見」に終わった。形だけ「撤回」して適当に謝罪しておけば、そのうち騒動がおさまるだろうという甘いもくろみが見て取れた。
当然、森氏は囂囂たる非難を浴びた。そのため、当初は「森会長は謝罪した。この問題は決着したと考えている」との声明を出していた国際オリンピック委員会(IOC)も、手のひらを返して「完全に不適切だ」などと指摘する声明を発表するに至った。その結果、森氏は辞任に追い込まれた。
これは、森氏の現状認識が甘かったからだろう。自分が悪いとは思わず、自己正当化ばかりする人の現状認識が甘いことは少なくなく、「卵が先か鶏が先か」の関係にある。自分は悪くないと思い込んでいるからこそ、現状認識が甘くなるともいえるし、逆に現状認識が甘いからこそ、自分は悪くないと臆面もなく思い込めるともいえる。
■若い女性と不倫を繰り返す夫の「甘さ」
このように現状認識が甘い人は、痛い目に合うまで自分が悪いとは思わないことが多い。たとえ痛い目に合っても、自分が悪かったと認め、心から反省するかといえば、大いに疑問である。
たとえば、知り合いの40代の女性Mさんは、これまで夫の不倫にさんざん悩まされてきて、「次に夫が不倫したら、証拠をそろえて離婚届を突きつけ、莫大な慰謝料をふんだくってやる」と決意していたそうだ。一人息子が大学に進学して寮で暮らすようになったことも、Mさんの決意を後押ししたように見える。
そうとは知らぬ夫は、性懲りもなく部下の20代の女性と不倫し、ラブホテルやブランドショップなどのレシートを折りたたんで自分の財布に入れていたそうだ。Mさんは、夫の入浴中や就寝中に財布を調べるようにしていたので、すぐに気づき、興信所に依頼して不倫の証拠を集めさせた。レシートが出てきたラブホテルを興信所に伝えたところ、夫と不倫相手のツーショット写真がすぐに撮れたという。さらに、弁護士にも相談し、離婚届をはじめとする書類を準備しておいた。
準備万端整えたうえで、夫が出張と称して不倫相手と一緒に旅行に行っている間に、引っ越し業者を呼んでMさんと息子の荷物だけを実家に送った。そのうえ、夫と暮らしていた家のリビングのテーブルに署名捺印した離婚届と弁護士の名刺、さらに「今後はすべて弁護士を通してください」という置き手紙を残して、Mさんは実家に戻った。しかも、夫の勤務先の会社と不倫相手の実家に不倫を告発する文書を内容証明郵便で送りつけた。
■「謝れば許してもらえる」はずもなく…
旅行から帰ってきた夫は、離婚届と置き手紙を見て、あわててMさんの実家に電話してきた。しかし、電話に出たMさんの父親が「娘はここにはいないから。これ以上電話しないでくれ。娘と連絡を取りたいのなら弁護士を通してくれ」と告げたところ、夫は「これまでも僕が謝れば、(Mさんは)許してくれたのだから、今回も許してくれるはず。直接会って謝りたい」と泣きついたという。
夫は「謝れば許してもらえる」と思い込んでいたようで、弁護士にも「妻に直接会って謝りたい」と話したらしい。それを聞いて、Mさんは激怒した。「謝れば許してもらえると思っていること自体、甘いのよ。これまで自分がしてきたことを悪いとは思っていないし、反省もしていないから、そんな甘い考えが出てくるんだわ。だから、絶対許さない」というのがMさんの言い分だった。
Mさんは弁護士と相談し、夫に「Mさんが要求している額の慰謝料を払って離婚してくれないのなら、裁判を起こすしかありません。訴状には、現在の請求額の数倍の金額を記載するつもりです」と伝えてもらった。弁護士は、「裁判になったら、不倫の事実が詳細に赤の他人の前で暴露されますよ。会社にも通達がいくかもしれません。これだけ不貞行為の証拠がそろっている以上、奥さんのほうが勝つ確率が高いと思いますよ」と付け加えるのも忘れなかったらしい。
■妻がどれだけ怒っているか想像できなかった
おまけに、夫の不倫を告発する文書を勤務先の会社に内容証明郵便で送りつけておいたことが功を奏したのか、夫は子会社に出向させられた。不倫相手も会社に居づらくなったのか、退社することになった。
収入が激減したこともあって、夫はMさんが要求した額の慰謝料を払うことを最初は拒否していた。だが、裁判になったら困るという計算が働いたのか、渋々ながら離婚に応じた。慰謝料は分割払いで、支払いが滞ったら、給料を差し押さえるということで合意した。結局、夫の「謝れば許してもらえる」という甘い認識は木っ端みじんに吹っ飛んだのである。
Mさんの夫が40歳を過ぎても「謝れば許してもらえる」という甘い認識を持ち続けていたのは、妻の反応に無頓着で、妻がどれだけ怒っているかに考えが及ばなかったからだろう。いや、むしろ目を向けようともせず、部下の若い女性との不倫に溺れていたのかもしれない。
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精神科医
精神科医。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生として、パリ第8大学精神分析学部で精神分析を学ぶ。著書に『他人を攻撃せずにはいられない人』(PHP新書)など。
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(出典 news.nicovideo.jp)
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